ものづくりを続けて、変わった「当たり前」|経験から生まれた小さな工夫

Petite Raraのアクセサリー制作風景|金具を工具で仕上げる手元
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先日、ハーバリウムボールペンのチャームを制作している動画を投稿しました。

小さな金具をつなぎ、チャームへと仕立てていく動画です。

その中に、金具のつなぎ目にひと手間加えて、補強している場面があります。

今回は、その動画だけでは伝えきれなかった、

「なぜ、このひと手間を加えるようになったのか」

について、これまでの経験とともに残しておきたいと思います。

ものづくりを続ける中で生まれた疑問

もう何年も前のことです。

ネックレスのチェーンが切れたり、ポニーフックの装飾が取れてしまったり。

そうした修理のご連絡をいただくことがありました。

修理のご連絡をいただけること自体は、とてもありがたいことだと受け止めています。

身につけてくださっていたからこそですし、「また使いたい」と思ってくださったからこそのご連絡でもあります。

ただ、制作を続ける中で、ひとつの疑問が残るようになりました。

購入からそれほど時間が経っていないものにも、同じようなことが起こることがある。

一方で、私自身が日常的に使っているものには、同じことが起きていない。

「この違いは、どこにあるのだろう?」

と考えるようになりました。

私の「当たり前」は、みんなの当たり前ではない

経験を重ねる中で、少しずつ見えてきたことがありました。

ものの扱い方は、人によって想像以上に違うということです。

私にとっては、

アクセサリーを外すときに、装飾部分を強く引っ張らないこと。

汗をたくさんかくような場面では使用を控えたり、使ったあとに軽く拭いたりすること。

そうしたことが、ごく自然な感覚でした。

「アクセサリーだから、みんな自然とそうするもの」

どこかで、そう思っていたのだと思います。

でも、

私にとっての当たり前は、使ってくださる方にとっての当たり前とは限らない。

それは、どちらが良いとか悪いとかではなく、暮らし方や、それまでの習慣によっても違うものです。

そのことに気づいたことで、

「では、作り手である私にできることは何だろう?」

と考えるようになりました。

作り手としてできる、もうひと手間

まず始めたのは、お手入れ方法や、使用するときに気をつけていただきたいことを、できるだけ分かりやすくお伝えすることでした。

そして、伝えるだけではなく、制作する側でもできることを考えるようになりました。

負荷がかかりやすい部分については、構造上できる範囲でもうひと手間を加える。

そうして取り入れるようになったのが、金具部分の補強です。

Petite Raraのチャーム制作|金具のつなぎ目を補強する制作工程

現在は、

  • ハーバリウムボールペンのチャーム
  • ネックレスのフックのつなぎ目
  • ポニーフックの装飾が重なる部分

など、作品の構造を見ながら必要な部分を中心に取り入れています。

もちろん、補強をしたからといって、どんな扱い方をしても絶対に壊れないということではありません。

ハンドメイドに限らず、ものにはそれぞれ適した扱い方があります。

作り手としてできる工夫はする。

扱い方についても、きちんとお伝えする。

そして、その先は、使ってくださる方と一緒に、ひとつのものを大切にしていけたらと思っています。

いつでも使ってほしい、とは思っていません

私は、Petite Raraのものを、いつでも、どんな場面でも使ってほしいとは思っていません。

慌ただしく動く日もあれば、汚れることが分かっている場所へ行く日もあります。

私自身も、その日の予定や用途によって、バッグや靴、身につけるものを変えています。

ものも、用途に合わせて使い分けていい。

そう思っています。

Petite Raraが届けたいのは、忙しい毎日の中で、ほんのひととき、ときめいたり、ふと心がほころんだりするきっかけです。

金具を持って、そっと外す。

使い終わったものを、軽く拭く。

そして時には、

「今日もきれいだな」

と眺めてみる。

ほんの数秒、想いを馳せる時間。

ものを丁寧に扱うことは、何分も時間をかけて、神経質に扱うことではないと思っています。

ほんの少し意識を向けること。

その小さな積み重ねが、ものだけではなく、自分の暮らしにも少し丁寧に目を向けることにつながっていくように思います。

完成ではなく、これからも改善していく

今回書いていることは、私がこれまで長く携わってきた、チェーンや金具を使ったアクセサリーについて、経験を重ねる中で見えてきたことでもあります。

長く制作してきたからこそ、実際に使っていただく中で気づいたことがあり、そこから改善してきたことがあります。

一方で、現在制作しているチェコガラスのアクセサリーや、最近学び始めたカルトナージュについては、私自身、まだ経験を重ねている途中です。

今は「これでいい」と思っていることでも、制作を続け、実際に使っていただき、さらに時間が経つことで、初めて見えてくることもきっとあると思っています。

「ここは、もう少しこうした方がいい」

「この方法より、こちらの方がいい」

これから先、そんな改善点が見えてくることもあるでしょう。

それを「失敗しないように」と怖がるのではなく、

気づいたら、考える。

試してみる。

そして、改善する。

その積み重ねも、ものづくりを続けていくことの一部なのだと思っています。

今の自分にできることを、丁寧に。

そして数年後に振り返ったとき、またひとつ良くなっている。

そんなふうに、

Petite Raraのものづくりも、私自身と一緒に育てていけたらと思っています。

Petite Raraのアクセサリー制作風景|工具と金具、チャームパーツを並べた作業途中

ものと向き合う、ほんの数秒を

作り手として、今できる工夫はする。

扱い方についても、きちんとお伝えする。

そして、その先は、使ってくださる方と一緒に、ものを大切にしていけたらと思っています。

Petite Raraが届けたいのは、アクセサリーやボールペンそのものだけではありません。

手に取ったほんの数秒、

少し心が緩んだり、

「きれいだな」と思えたり、

ものにそっと意識を向けられる時間。

なぜ、こうしているのか。

何を大切にしているのか。

作品を制作することと一緒に、そんなPetite Raraのものづくりの背景も、これからきちんと言葉にして残していきたいと思います。

Petite Raraのハーバリウムボールペンでノートに書く手元

Petite Raraでは、チェコガラスを使ったアクセサリーを制作しています。

光の角度で表情が変わるチェコガラスの美しさを、日常にそっと寄り添うアクセサリーとしてお届けしています。

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プティートララ / 西村 さゆり
プティートララ / 西村 さゆり
アクセサリー作家|小さな景色の編集者
チェコガラスやヴィンテージボタンを用いて、日々にそっと寄り添う小さな景色を制作しています。 Petite Rara 西村さゆり。
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